メリット
・公証人が関与するので、方式の不備、内容の不備による無効を回避できる。
・遺言書が公証人役場に保管されるので、偽造や改ざんの心配がない。
・遺言者の死後、遺言書の検索が容易にできる。
・家庭裁判所の検認手続きが不要。
・自書能力がなくても作成できる。
デメリット
・遺言書の作成費用(手数料等)がかかる。
・公証人と、証人2名の立会いを要し手続きが厳格。
・遺言書の存在と内容の秘密を確保できない。
▪公正証書遺言の手数料
デメリットにも記載しましたが、公証人の作成手数料が必要になります。
手数料は、各相続人・各受遺者が、相続または遺贈を受けた額に対してそれぞれ計算します。原則的には、「目的財産の価格」に対する「手数料の額」を各相続人・各受遺者ごとに計算し、合計したものが手数料になります。
公証人の作成手数料
上記手数料以外に、全体の財産が1億円未満のときは、遺言加算としてさらに1万1000円が加算されます。また祭祀の主宰者を指定したときは、1万1000が加算されます。
▪公正証書遺言を作成する場所
原則として公証役場で、遺言者が公証人の前で遺言の内容を口授して作成されます。もし遺言者が入院中であったり、病気のため外出が困難で公証役場まで行くことができないときは、公証人が出張してくれます。
ただ、この場合は、遺言加算を除いた目的財産の価格ごとにかかる手数料が1.5倍になり、その他にも公証人の旅費や日当が必要になります。
▪公正証書遺言の保存について
公正証書遺言の原本は公証役場に保存されます。このため遺言書がなくなることや、偽造改ざんされるおそれがなくなります。保存期間は通常20年とされていますが、現実的には遺言者が亡くなるまで保存されてきます。
▪公正証書遺言の作成方法
・証人2人以上の立会いのもとおこなわれます。
・遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授します。
・公証人が遺言者の口授を筆記し、遺言者と証人に読み聞かせ、また閲覧させてくれます。
・遺言者と証人が、筆記が正確であることを承認したうえ、各自が証明・押印します。
・最後に公証人が証書が適式な方式で作成されたものである旨を付記し、署名・押印します。